2007年7月26日木曜日

函館・五島軒 カレー店展開、商品開発に力 経営改革へ組織改編

 【函館】洋食レストラン経営や食品販売の五島軒(函館、若山直社長)は抜本的な経営改革を図るため、カレー店の本格展開に向けた事業部門の確立と、経営企画室新設を柱とした組織改編を行った。宴会や婚礼のレストラン利用減による影響などで売り上げ減となっている現状にてこ入れして、札幌など大都市へのカレー店進出や「顔」となる新商品開発に力を入れ、三年後に年間売り上げ五億円増を目指す。
 組織改編では、社内の構成を「本店」「工場」「販売」「管理」とカレー専門店展開を手がける「函館カレーエクスプレス」の五部門に整理。そのうえで四月に函館市の五稜郭タワーで開業したカレー専門店を二年以内で新たに二店出す見込み。場所は未定だが、札幌、東京などを検討、会社員や若い女性への浸透を狙う。
 現在売り上げの七割を占める物販はカレー缶詰や洋菓子を扱うが「看板商品がない」(管理部)と判断。社長直轄の経営企画室が市場調査やイメージ戦略を担う。新商品開発を進め、本州への販路拡大も視野に入れる。
 同社は一八七九年(明治十二年)創業。二○○七年六月期の売上高(見込み)は十四億千三百万円で前年同期比一億三千二百万円減。五年前に比べ約六億円落ち込んだ。カレー店事業の拡充などで三年後の年間売上高十九億円を目指す。若山社長は「今が正念場。中長期を見据え、経営の足腰を強くしたい」と話す。

(北海道新聞より引用)

2007年7月19日木曜日

近代美術館にビアガーデン 21日から 金、土限定

 道立近代美術館(札幌市中央区北一西一七)は二十一日から八月十日までの金、土曜限定で、同美術館前庭でビアガーデンを行う。開館三十周年を記念し初めて企画した。
 美術品とアルコールは一見ミスマッチのようでもあるが、「欧米ではワインを楽しみながら美術品を鑑賞する文化がある」と同美術館。札幌グランドホテルの協力で、生ビールやワインなどを一杯四百円で提供するほか、枝豆や焼きそばなどのつまみも用意する。
 時間は二十一、二十八日と八月四日の土曜は午後三時から同八時まで。二十七日と八月三、十日の金曜日は午後五時から同八時まで。ビアガーデン期間中は美術館を午後八時まで開館する。同美術館は「二十一日からは『ダリ展』も始まるので、ゆっくり鑑賞した後、のどを潤しながら芸術談議をしてみては」とPRしている。
 また、二十一日は過去に同美術館で開催した展覧会の図録を二百円で販売する「図録市」を初開催する。時間は午前九時から午後五時まで。いずれも入場無料(ダリ展は入場料が必要)。問い合わせは同美術館(電)011・644・6881へ。

(北海道新聞より引用)

2007年7月13日金曜日

残留孤児支援*尊厳回復の課題は多い

中国残留孤児が政府に賠償を求めていた集団訴訟が終結することになった。
 政府・与党がまとめた新たな支援策を孤児と弁護団が受け入れたのだ。
 制度の法案化を確認した後、札幌など全国の原告団が訴えを取り下げる。
 国策の「満州移民政策」によって生まれた残留孤児の帰国後の生活を支えるのは政府の責務だ。血の通った支援を着実に実行してほしい。
 東京地裁に最初に訴訟が提起されてから四年半になる。この間、結果を見届けずに三十人ほどが亡くなった。
 中国で、そして、祖国に帰った後も辛酸をなめた孤児の境遇を思えば、支援策の決定は遅きに失した。
 新たな支援制度の下では、現在は三分の一支給の国民年金を満額(月額六万六千円)支給する。生活保護に代わる給付金制度を設け、単身世帯で月額最大八万円を上乗せして出す。
 医療、介護、住宅の費用も収入の状況に応じて政府が負担する方針だ。
 孤児の多くは日本語が不自由で、高齢化しているため、満足な職を得られず、全国で六割、道内では八割が生活保護を受けている。
 政府が生活保護制度を下敷きにした支援策の素案を四月にまとめた際、孤児たちは「これだと、行政が収入状況を頻繁に確認する。生活を監視される惨めさは変わらない」と反発した。
 ただ、新たな支援策にも生活保護の要素が残っている。行政が収入状況を調べ、勤労収入、厚生年金の支給があれば給付金を減らす仕組みなのだ。
 政府は「収入認定」は年一回にとどめる方針だが、孤児の生活に安易に干渉しないよう配慮すべきだ。
 孤児が全国十五地裁に起こした訴訟で、現段階で原告が勝訴したのは昨年十二月の神戸地裁だけだ。判決は、政府に対し「孤児の被害を救済すべき高度の政治的責任を負う」と断じた。
 司法による解決の道が事実上閉ざされた以上、あとは政治決着しかない。
 孤児たちは参院選の日程を視野に、「いまを逃せばまとまるものもまとまらない」と決断した。不安を残しつつ支援策を受け入れざるを得なかった心情を政府は忘れてはいけない。
 支援策は孤児たちが日本人としての尊厳を取り戻すための第一歩だ。
 今後さらに、日本語の習得や医療・介護への支援、二世、三世への就労支援をはじめ、家族を含めた生活全般への支援を充実させる必要がある。
 支援策の実効性を検証するため、孤児たちと行政の定期的な協議の場を設けることも検討課題ではないか。
 孤児たちは老後への備えができないまま、七十歳前後になった。祖国での生活の安定と安らぎを求めている。
 「帰って来て本当によかった」と思ってもらうため、地域社会で孤立させるようなことがあってはならない。
(北海道新聞より引用)

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