2008年2月29日金曜日

道内3月目前なのに…大雪うんざり 寒気後退が原因

台風並みの低気圧の接近が相次ぎ、大荒れの天気が続く道内で、暴風雪による被害が広がっている。道東を中心に農家のビニールハウス倒壊が相次ぎ、二月の新千歳空港の欠航便は、昨年同月の四倍の約四百便に上る。冬型の気圧配置が崩れ、南から北上してきた低気圧が北海道付近で発達し、次々に通過したためだ。三月に入っても地域によって寒暖の差が激しく、低気圧が発達しやすくなるため、今後も暴風雪の恐れがある。
 札幌管区気象台によると、二十八日現在、札幌で平年比三二センチ増の一○五センチの積雪を観測したのをはじめ、道央の積雪は、軒並み前年比二〇センチ以上増えた。一月以降の低温傾向で雪が解けなかったところに降雪が集中したためで、十勝管内大樹町では平年比一二センチ増の積雪八一センチを観測した。
 まとまった雪が降った原因は、二月半ばまで北海道上空に張り出した強い寒気が後退し、北海道付近で寒暖差が発生したため。この寒暖差により、北海道付近で低気圧が発達し、暴風雪をもたらした。
 この風雪の影響で、道内各地のビニールハウスや牛舎が倒壊、破損する被害が相次いだ。道によると、二十八日までにビニールハウス六百二十二棟が倒壊または破損し、十勝管内では牛舎二十四棟が破損。被害総額は一億円に上る見込みだ。
 被害が最も多かったのは十勝管内で、ビニールハウス二百三十四棟が倒壊・破損。渡島管内では百六十棟が被害を受けた。渡島管内七飯町の農業小田切清志さん(57)の畑ではビニールハウス五棟が損壊し、出荷を控えたカーネーションが雪ざらしとなって枯死。被害額は約百万円に上る見通しで、小田切さんは「大事に育てたのに一晩で終わり」とため息をついた。
 新千歳空港では、二十三日の暴風雪で全二百六十四便の半数以上の百三十六便が欠航。二月の欠航便は二十七日までに四百二十七便に上り、前年の百七便の約四倍に達した。
 新千歳空港の乗降客は一日平均約五万人。仮に同空港が丸一日閉鎖されると、航空各社合わせて、約七億五千万円の売り上げ減となる。二十八日も欠航が二十便を超え、大手航空会社社員は「二月は北海道旅行の予約が好調だっただけに損失は大きい」と恨めしげだ。
 利用客の不満も増している。新千歳空港を管理する北海道空港は二十三日、空港内の会議室を開放したが、収容人数は五百人。この夜、同空港では二千五百人が泊まり込み、ロビーなど冷たい床での睡眠を余儀なくされた利用者も多かった。
 二十三日に新千歳空港を利用する予定だった札幌市の会社役員(38)は「運航再開時期や振り替え便などの情報がなく、これが一番困る」と話した。

(北海道新聞より引用)

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